平成2年時点では全国で5~15台と許可要件で幅があり、車両も法定耐用年数を超えていたらいけない、などのルールがありましたが、平成15年に一般貨物自動車運送事業の営業区域概念がなくなるのと同時に最低車両台数が全国5台に統一となりました。
今の世の中、規制は新設されたりゆるくなることはあっても自由経済擁護、人権擁護のために厳しくなることはなかなかないと思います。
さて、最低車両台数5台が妥当かどうかという話ですが管理の面と数字の面から考えてみます。
5台すべて社長でない運転手が運転するのと、社長も運転手の場合ではまったく話が変わってきます。
社長も運転手であれば安い運賃でも”役員報酬”でなく”給与”はもらえるでしょう。
でもたとえば役員報酬を年間600万として、社長は運転をしないという場合どうなるでしょう。
600万 ÷ 5台 ÷ 12カ月 = 10万
1台あたり、車両代・修繕費や燃料費、税金、給与のほか、家賃・車庫賃料を除いて1台10万を残すということですよね。
これは通常の運賃で、しかも運転手に普通の給与を支払ったとしたらほとんどムリだと思います。
だからと言って、社長がずっと運転手をしていて経営のことを考えなかったらどうなるでしょう。
会社は絶対に発展しませんし、良い会社になりようもありません。
1台あたり役員報酬に売上の10%を振り分けられるようになると非常に良い形だと思います。
1カ月役員報酬50万円が売上の10%だとしたら5台で稼がないといけない売上は500万円。
すなわち1台あたり100万円です。
大型トレーラであれば可能な金額かもしれませんが、新規事業者でこれはなかなかありえないことでしょう。
1台あたりの売上が50万円だったら、そのうち役員報酬10%の10台で1カ月役員報酬が50万円。
2トン車で50万もらえれば相場からはそれほど悪い額ではないと思いますが、役員報酬が10%ということは残りの45万円でいろいろとやらなければならないわけですね。
給与比率の面から考えてみましょう。
給与比率が40%だとしたら20万。そこから源泉徴収、社会保険等をしたら手取りは所帯持ちの男性にはどう考えても足りない金額になりますよね。
やはり所帯持ちの男性がなんとかなるためには最低年収400万、できれば450万くらいはほしいです。
ということは毎月総支給額が37万。
給与比率が45%だとしたら 37万 ÷ 0.45 = 82万
1台あたりひと月82万売り上げないといけません。
82万円であれば役員報酬も10%とれるでしょうから、6台でも役員報酬1月50万円になります。
でも新規事業者が特殊なトラックもない状況で1カ月80万の運賃をもらえるでしょうか。
役員報酬を1カ月50万にするためにはおそらく10台くらいの車両があれば可能かとは思いますが、今の運賃では運転手の給与はどうしても低い水準になってしまいます。
そうすると、搾取する構造になってしまいます。
やはり、運転手も気持ちのいい給与をもらって、社長も経営のために時間を使ってという”会社”というものを作るためには運賃は最低でも現状の3割はアップしないとなかなか難しいのではないでしょうか。
そして、最低車両台数を考える際は10台が適正かな、という気がします。
それは10台であれば個人がむりやり揃えられるような金額ではない、というところがあります。
そこまで用意でき、またそれを維持できる自信のある企業だけが参入するという、それはそれでいいことがある気もしますね。
ただ、逆に考えると1台だと身軽ですし、しかも社会保険に入る必要はないですし、管理費もほとんど要りません。
2トントラック1台でひとりで頑張って50万の運賃をもらえばまぁまぁてもとに残ることになると思います。
もちろん1台ですからそれなりの仕事しかできませんし、対外的な信用もうすいですので、対企業ということでいうと商取引としては分が悪いこともあるかもしれませんね。
個人タクシーは相手が一般素人の一般市民ですからそういうことはあまり気にしません。
手を挙げて、来たタクシーに乗るだけです。
そういう違いもあると思います。
個人トラックが認められても、どうやって個人が企業に信用を勝ち得ていくか。
そして企業とどうやって対等にやりあっていくか。
そして個人トラックの特例許可でしょうから増車はできない可能性が高いと思います。
そうなるとどうしてもいくら頑張っても給与は結局安いままですし。
運送業全体的な観点から考えると、管理などをしない分コストは低くできますから値段競争はもっと厳しくなるのは間違いありません。
個人であれば特別な車両を導入して、差別化をし、高い運賃をもらうというのも資金力的に難しいですし。
個人タクシーは、もし1日ずっとお客様を運べたら1カ月の収入はかなりなものになります。
でも、個人トラックは基本的には1日中トラックに乗っているというところでは同じですが、どうやって頑張っても1日2万円の実入りがあれば良い方でしょう。
車両の値段や維持管理費、燃料費も個人タクシーの乗用車とはまったく違いますので個人タクシーと同じ土俵で考えるのはちょっとおかしくなると思います。
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